軍神の御剣・J−SIDE
第六話「指輪の秘密」


 一九八三年八月二八日。
 大日本帝国帝都大阪。
 その日も大阪の真夏の日差しは人の肌を焦がすほどに熱く降り注いでいた。
 大阪市内のオフィス街を歩く営業課の者たちはハンカチで、無限に湧き出してくる汗を拭いながら己の勤めを果たしていた。彼らは形こそ違えども、まさにサムライの子孫であった。彼らの献身的な働きこそが大日本帝国の経済を支えているのだから。
 そのような大阪市恵美須町………日本最大級の電脳街である日本橋の一角。
 そこに一軒のビルがそびえ立っていた。全六階建ての、やや古めかしいビルであった。そのビルが建造されたのは一九四六年二月のこと。今や日本橋ではかなり古株のビルとして周りには認知されていた。
 そのビルは一階から三階までは店舗として使われている。店に並ぶ品は本が主であった。ただし、その本は極端に薄く、そのくせに一〇〇〇円札の使用を要求するほど高いものであった。
 日本橋のみならず、全国規模で展開している同人誌専門ショップ「梁山泊」。その日本橋本店こそがここであった。
 一階から三階まですべて同人誌及び同人グッズだけで埋まっている。そんな店に来る客層はかなり限定されてしまう。夏であるために店内には異様な空気が充満していた。
 瀬良 洋平は梁山泊店内に漂う酸っぱい汗の臭いに顔をしかめながら店内に入った。
「いらっしゃいませ〜」
 梁山泊の女性店員が瀬良にとびきりの笑顔を向ける。この店で働く女性店員は(何故か)メイド服を着用している。瀬良は「何故?」と思わないでもないが、自分の気持ちを隠そうともしない剛の客は人目もはばからずにメイド店員に対して「萌え〜!」と叫んでいる。まぁ、確かにここの店の女性店員は美人が多いのも確かであるが………
「おや? 瀬良さんじゃないですか」
 瀬良は自分の肩が何者かにポンッと叩かれ、その方へ向いた。
 そこにはニコニコと穏やかに笑う男がいた。金髪碧眼。外人であった。
「いけませんね、瀬良さん。昼間だというのに同人誌漁りですか?」
 男――バルタザール・サフトはそう言って笑った。
「………アンタに言われたくないがね」
 瀬良はバルタザールを睨みすえて言った。
「あはは。確かに私もお仕事の最中でした。これはウッカリだ」
 あははは、とバルタザールは楽しそうに笑った。彼はドイツ資本の貿易会社であるオストワルド商事に勤めるドイツ人………それが公式な彼のプロフィールだ。
 しかし彼の本当の正体はそのような平和なものでは決して無い。彼の本当の名前はマカール・コタヴィッチ。ソ連が大日本帝国に送り込んだスパイであった。普段はこうしてオタクでDQNなドイツ人を装っているが、彼のせいで日本の警察官が数人命を落としていた。
 では何故に瀬良はそれを知るのだろうか? 答えはただ一つ。瀬良はマカールと協商関係にあるのだ。要するに大日本帝国の内情をマカールに売っている二重スパイ。瀬良も日本の諜報組織である大日本帝国統合作戦本部第一三課に勤務していた。第一三課、通称『アポステル13』という。
「今日は俺はここに仕事で来ててね。アンタと遊んでる暇は無いんだ」
 瀬良はそう言って階段の脇にあるエレベーターに向かって歩き出した。
「あら〜? それは残念です。じゃあ今夜、飲みに行きましょうよ。いい店を見つけたんです」
「今夜? ………わかった。予定を空けておく」
『いい店を見つけた』。これが二人にとって合言葉であった。その意味は互いの持つ情報の交換であった。
 瀬良はそう言い残すとエレベーターに乗りこんだ。
「ではまた〜」
 気楽にそう言いながら手を振るマカールの姿。その姿はエレベーターの扉が閉まると見えなくなった。エレベーターは上へ向かって動き出した。その行き先は………五階であった。



 同人誌専門ショップ「梁山泊」日本橋本店ビル五階。
 一般には同店の事務所として認識されているが、そここそが『アポステル13』のオフィスであった。
 ………何でこんな同人ショップの中に諜報組織のオフィスを作るかねぇ。
 瀬良は常々そう思っていた。
 しかし考えてみれば、これ以上に有効な隠し蓑もあるまい。同人専門ショップに来る客層というのは非常に限られている。世間には「オタク」として誉められることも無く、ただ己が趣味のためだけに金と時間と情熱を惜しみなく投入するような輩たちであった。そんな中に他国のスパイが潜り込もうとしたら?
 カラスの中の白鳥の如きモノ。目だって目だってしょうがない。
 そして怪しい者はマークされ、『アポステル13』の障害駆除班………要するに暗殺チームが派遣されるのであった。今のところ、『アポステル13』に潜入を試みてマークされなかったのはマカールのみであった。彼がスパイであるなどと思う者はどこにもいない。彼はこのビルの一階から三階まで………要するに梁山泊の客としてでしかここに入ったことが無いからだった。
「おう、よく来たね、瀬良君」
 粗末で安物の机に座る初老の男が瀬良の姿を見るや声をかけた。
 彼こそは『アポステル13』の課長。つまりは大日本帝国のスパイ網の大元締め。名を服部 良史という。それが本名なのかどうかは瀬良にもわからない。ただ彼が知るのは服部 良史は『アポステル13』の課長にして、全国六〇店舗以上を誇る梁山泊の社長でもあることだけであった。
「君、もう少しこの川の水に馴染んだらどうだ? 店に入ってムスッとしているようじゃ周りに怪しまれるぞ」
 アンタの言うようにするということは、『アポステル13』の職員は全員オタクであれ、というのと同意義なのだぞ?
 瀬良は内心でそう呟いた。
「まぁ、仕方ないか。この梁山泊オフィスは私の趣味でやってるからなぁ。私とは次元を異にする職員も必ず出る………上に立つというのは難しいものだね、瀬良君」
 殊勝な言葉であるが、顔はふてぶてしく笑っていた。まったく………食えない爺さんだ。
「さて、君を呼んだのは私の愚痴を聞かせるためじゃないぞ。そんな気の滅入った顔をしないでくれ」
「……………」
 この爺さん、時折人の心を読んでいるのではないかと思わされる。まぁ、相手がオタクという人種でもない限りはこの男の言動には気が滅入るんだろうけど。
「君は明日からアメリカ支局に向かってくれ」
「ア、アメリカ………ですか?」
「そうだ。アメリカに出向だ。アッチでの仕事が上手くいけばすぐに帰れると思う」
「で、任務は?」
「それは君の相棒に聞いてくれ」
「相棒………? 私は常に一人で活動しており、同僚はいても相棒と呼べるような人物は………」
「おや、酷い話ですね。まさか私も同僚だというんですか?」
 瀬良の背後から少し落胆した声が聞こえる。瀬良はその声に聞き覚えがあった。だがこの場で聞いてよい声ではなかった。
「サ、サフト!? 何故こんな所に………」
 瀬良は突如現れたマカールの顔と服部の顔を見比べる。互いにニコニコ穏やかに笑っていた。
「………し、知らぬは俺ばかり也………ですか」
「瀬良君、君の腕はまだまだなんだよ。この服部 良史が気付かないとでも思ったのか?」
「じゃ、じゃあ私は………」
「大阪湾に浮かぶ? 残念だがコンクリート詰めだよ」
 服部が楽しそうに言った。瀬良は生きた心地がしなかった。
「服部さん、それ、私も似たようなこといいましたよ」
 マカールが服部に教えた。
「おや? シンクロユニティかな? ………まぁ、いい」
 服部は小さく咳払い。
「お前のやっていた行動は我々の利点となっている。だからお前の行動はすべて容認されていたのだよ」
「ソ連に情報を流すことが………ですか?」
「いや、お前がマカール氏と交友関係を持つことだ」
「………?」
 瀬良は何が何やらわからずに首をひねった。
「瀬良。これに見覚えあるだろう?」
 服部は小さな指輪と机の引き出しから取り出した。
「そ、それは………」
「三ヶ月前のことですね………まったくあれは大変でした」
 マカールはそう言って肩をすくめた。
 そう、すべては今より三ヶ月前にさかのぼる………



 三ヶ月前………
 一九八三年五月一六日午前一一時二五分。
 オストワルド商事本社ビルにて。
「う〜ん………昨日は飲みすぎてしまいましたね」
 マカールはそう呟きながら頭を叩いていた。昨日、ソ連から日本に派遣されているスパイ仲間で集まって情報交換会という名のどんちゃん騒ぎを行ったのであった。マカールはその席でウォッカを浴びるように飲んだのであった。故に今日の彼は二日酔いで、こんな昼前に会社に出勤するという上役出勤を行っていた。
「ハァロォ〜、戦友諸君! 今日も不退転の決意で頑張りましょ〜!!」
 本社ビルの正面玄関自動ドアのセンサー部分を踏み、開く自動ドア。そしてマカールははた迷惑なほど明るく大きな声をあげて出社した。
 そしてマカールは受付の方へ歩く。オストワルド商事本社ビルの受付嬢カタリーネは生粋のドイツ娘でマカールの好みの娘であった。
「ハロ〜、カタリーネ!」
 マカールが挨拶した時、カタリーネは仕事中だということを知った。
 カタリーネはパソコンに向かい、何かを探している様子であった。
「………どうしたの、カタリーネ。朝から探し物かい?」
「え? あぁ、サフトさん………お早うございます………てもうお昼ですよ?」
「まぁ、その辺は気にしない、気にしない」
「来月の給料、また減らされますよ? ………ええ、今あちらのお客様に頼まれまして」
 カタリーネはロビーのソファーに座る女性を指差した。長い栗色の髪が魅力的な美人であった。いかん、いかん。私はカタリーネちゃん一筋なのだ。マカールはそう思って顔を振った。
「サフトさん?」
「いや、何でもない。で、誰を探してるの?」
「はい。インドラという男をいとこに持つ社員がいるはずで、彼に指輪を渡さなければならない、とのことで………」
 しかし該当者はいないのだろう。カタリーネは八方塞だと言いたげに肩をすくめた。
「インドラ?」
「あれ? ご存知ですか?」
「う、うむ………もしかしたら知ってるかもしれない。遠い親戚だから会社は知らないのかもしれないけど」
「まぁ、とにかく彼女の話を聞いてあげてください。もしかしたらサフトさんをお探しなのかもしれないですし」
「OK」



「え〜、始めまして、フロイライン」
 マカールはそう言って栗色の長い髪の美女に話しかけた。そして名刺を渡す。
「私、オストワルド商事の若き切り札のバルタザール・サフトです。よろしく」
「あ、わ、私はルツィエ………ルツィエ・カレルです。よ、よろしくお願いします」
 ルツィエと名乗った女性の声は透き通るように美しかった。
「え〜、インドラをご存知なのですか? 彼は確か今はリベルにいるはずなんですけど………」
「は、はい! 私………私、インドラさんに頼まれたんです! この指輪をいとこに渡すようにって………」
 ルツィエはそう言って指輪をマカールに見せた。
「……………」
 いつもニコニコとしているマカールであるが、その指輪を見せられた時は真剣なまなざしを見せた。
 インドラ。彼はリベル人民共和国に潜入して『あること』を探っているマカールの仲間であった。
「フロイライン、インドラはどうしたんですか?」
「インドラさんは………私と共に逃げ出した際に射殺されて………」
「逃げた? 何から?」
「私、私は………」
 その時、オストワルド商事の玄関に猛烈な勢いで車が突っ込んできた。正面玄関のガラス張りの自動ドアが粉々に砕け散る音。人の破壊衝動を満たす心地よい音であるが、あってはならない音でもあった。
「何!?」
 マカールは車に乗る黒服の男がVz61を取り出すのを見た。さらには銃口をマカールの方へ向けていることも!
 タタタタタタタタタタタタタ
 マカールは咄嗟にルツィエの背中を押し倒し、自らも床にうつぶせに倒れこむ。床に倒れる二人の頭上をVz61の七.六五ミリ弾が飛び、壁に突き刺さる。
「キャーッ! キャーッ!!」
 カタリーネの悲鳴がこだまする。しかし彼女は咄嗟のことで防犯ブザーを押すということに思い至らないようだった。
「こんな所で撃ち合いなんか御免なんですがね………」
 マカールは懐からマカロフ拳銃を取り出し、何発か放つ。無論、命中など期待していない。けん制の意味を込めてであった。
 しかし平和を破った闖入者はすぐさま車をバックさせ、オストワルド商事から離れていった。登場した時と同様に、帰る時も唐突であった。
「………ま、まるで嵐のようでしたね」
 危険が去ったことを確認したマカールはようやく立ち上がる。
「ルツィエさん、大丈夫でしたか?」
 ルツィエは呆然としていたが、マカールに声をかけられてようやく気を落ち着けて正気を戻した。
「え、ええ………そ、それよりも今のは一体………!?」
「………どうやら貴方のその指輪。それがどうしても欲しかったようですね」
 そしてパトカーのサイレン音がマカールの耳に聞こえる。どうやら路上の誰かが通報したらしかった。
「まったく………何のための防犯ブザーだったのやら………」
 マカールは呆れ返って呟いた。



 その日の夜。
 夜の帝都高速道路を一台の車が走る。それはトヨタ社製の2000GTの一九六八年型であった。瀬良の自慢の愛車である。
「………はぁん。昼間の騒ぎはそれが原因だったのか」
 マカールに電話で呼び出された瀬良は疑問が氷解されるという快感を味わった。
「まぁ、警察にはジャパニーズ・マフィアことヤクザの仕業と言っておきました」
 助手席に座るマカールが言った。
「………何でヤクザがお前んトコの貿易会社襲うんだよ」
「おや? ご存じない? 我がオストワルド商事はヤクザ追放キャンペーンの出資者ですよ」
「それもカバーって奴か?」
「まぁ、この国にいる東側スパイの六割がオストワルド商事勤務ですからね。いつ何時襲われるかわからないので、口実が必要なのです」
「ふぅん………で、このルツィエさんが何で狙われてるんだ?」
「それはまだ聞いてません。たった今警察の取調べが終わったものですから」
「まぁ、俺を呼んだのは正解だろうな。おそらくお前のマンション、張り込まれてるだろうし」
 瀬良はタバコの箱を取りだして一本咥える。戦前より続く大衆タバコ「ほまれ」。マカールがほまれに火を点けた。
「じゃあ聞かせてもらおうじゃないの………ルツィエさんの事情ってのを」
 瀬良はバックミラーに映るルツィエに向かって言った。
「は、はい………」
 そしてルツィエは語った。自分はリベル人民共和国で政府の宣伝放送を行っていた『リベル・ローズ』であったことを。そしてインドラはその番組のプロデューサーであったこと。そして宣伝放送を行うことに疲れたルツィエはインドラの誘いでリベルを去ったこと。リベルを去る際に『アフリカの星』の傭兵たちに世話になったこと………
「やっぱその襲撃者の狙いは指輪………か?」
「ええ。この指輪はね、中にマイクロフィルムが入ってましたよ」
「あの………マイクロフィルムって?」
 ルツィエが怯えながら尋ねた。自分が何も知らずに持っていた指輪に聞きなれぬ名前のものが入ったいたことが恐ろしくなったのだろう。
「要するに、メチャクチャ小さなフィルムが入ってるんです。そこに描かれた情報………それを知られたくないんでしょうね」
「そ、そんな………インドラさんは一体………」
 まぁ、彼は私の仲間なので、このフィルムの中身は大体想像はできますが………公言するわけにもいきませんからねぇ………マカールがそう思った時、2000GTのエンジンがさらに力強く吼え、さらに加速し始めた。
「どうしました、瀬良さん?」
「どうやら追っ手が来たみたいだぜ」
 瀬良の言葉に後ろを振り向くマカール。確かに一台のスポーツカーが迫ってきていた。
「瀬良さん。あの車、何ていうんでしたっけ? 私、車の種類を覚えるのがどうにも苦手で………」
「気に留める必要は無いぜ………ありゃ敵だ」
「ただの走り屋かもしれませんよ?」
「とぼけやがって………どこの世界に助手席の奴がスコーピオンを構える走り屋がいるってんだ」
 瀬良はマカールにイスラエル製大型拳銃であるデザートイーグルを手渡した。
「容赦はいらねぇぜ」
「あぁ、酷い人だ………資本主義に生きるくせに神をも恐れないとは」
 マカールはそう呟きながらデザートイーグルに初弾を装填。五〇口径AE弾の破壊力は携帯火器である拳銃とは思えないレベルである。
「………私は共産主義者なので、貴方に送る言葉を知りません。うらまないでください………よッ!!」
 ガォンッ!
 拳銃の発射音とは思えないほどの轟音と反動。しかし鍛え上げられたマカールの肉体はその反動にもビクともしなかった。
 デザートイーグルの五〇口径AE弾は追っての車のエンジンルームをブチ抜いた。そしてガソリンに引火して派手に爆発炎上する。
「マカールの代わりに俺が弔ってやるよ………南無阿弥陀仏にアーメン、ついでにアラーアクバルだ!!」
 瀬良はそう呟くと2000GTのギアを最高速のものに変え、アクセルを一気に踏み込んだ。
 帝都高速道路を疾走する2000GTであった………



 それが三ヶ月前の出来事であった。
 その後、ルツィエと指輪はマカールが「私に安全な場所の心当たりがある」と言って、適当な所に隠していたはずだったのだが………
「あの日、マカール氏は我々にこの指輪の解析とルツィエさんの保護を頼んだのだよ」
 服部が瀬良に教えた。
「何ですって!? じゃあ課長とマカールは………」
「まぁ、前々から協力関係にありましたって奴です。いや、一昨年………あたりのコミケで意気投合しちゃいまして」
「うん、世が世でなかったら彼にはこの梁山泊の店長を勤めてもらいたいほどの人材でなぁ」
 わははと笑う服部。
「あ、ちなみにルツィエさんは今、この梁山泊の在庫整理の仕事をしているそうです」
「うむ。彼女もなかなか勤勉で、いい社員だ。あんないい社員を紹介してくれたのはうれしい限りだよ、マカール氏」
「………で」
 瀬良が頭を抱えたそうな表情で言った。
「?」
「で、その指輪のマイクロフィルム………何が描かれていたんですか?」
 その言葉を聞いた時、服部の表情が引き締まった。
「うむ………とても重要なことだ。日本、ソ連などと一国でチマチマ考えている場合ではないほどの重要事だ」
「え?」
「リベルでの戦争の構図………そしてあの戦争の裏で暗躍する悪の組織のことが描かれていたよ」
「……………」
「君たち二人は至急、アメリカに飛んで欲しい。そう遠くないうちに行われる『最終作戦』の下準備を行ってもらいたいのだ!!」
 服部はそう告げた。
 こうして二人は日本を後にした。
 彼らに託された『最終作戦』が全貌を現すのは………それから三ヵ月後のことであった。


第五話「人が人を超えた時」


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